村上春樹の新作短編2編を『文学界8月号』で読みました

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村上春樹の新作短編「ウィズ・ザ・ビートルズ」と「ヤクルト・スワローズ詩集」が、先日発売された『文学界』に掲載されています。

どちらの作品もかなり自伝的な内容で、果たしてこれがフィクションなのか、それともエッセイなのか、読んでいるうちにわからなくなってきます。思わず表紙を見直して、「創作」と表記されているのを確認したくらいです。

「ウィズ・ザ・ビートルズ」は、神戸の芦屋で育った少年が、高校生になり、初めて付き合った女の子と、その兄と僕の交流を描いたお話。

「ヤクルト・スワローズ詩集」は、ヤクルトスワローズの忠実なファンである語り手が、野球に対する思いを、負け試合を見ながら暇つぶしに作った詩をはさみながら綴った作品。

村上春樹のエッセイやインタビューから察するに、「ウィズ・ザ・ビートルズ」は3割フィクションで、「ヤクルト・スワローズ詩集」は9割ノンフィクションではないかと思います。「私小説」というとかなりイメージが違うかもしれませんが、実体験をもとに短編小説を作るというのは、かなり日本文学的だと思います。

どちらの作品からも、かつての鬼気迫るようなパワーは感じられません。「ウィズ・ザ・ビートルズ」は作品の構成がやや安易に思えますし、「ヤクルト・スワローズ詩集」は、これはまぁ冗談を交えた、野球に対するオマージュみたいなものでしょうから。

『海辺のカフカ』を超える長編作品が飛び出してくるのを、個人的にはとても期待しているのですが、最近はラジオやミュージアムの設立でお忙しいようですし・・・・。

でもまだまだ期待しています。

ライフワークはジャズとランニングと横浜ベイスターズ。無駄に絶対音感あり。ピアノを弾きます。

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